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現在イスラエル。この日はイスラエル人(ユダヤ人)に迫害され、分離壁の中で生活することを余儀なくされているヨルダン川西岸パレスチナ人自治区にいってきた。僕は日本人なのでパスポート見せただけで簡単にはいれたけど、パレスチナ人達はいちいち指紋検査、持ち物検査、色々な質問をされていた。壁の内側は多くのパレスチナ人が生活していた。そして分離壁の内側には様々なパレスチナ人達の想いが綴られた落書きがたくさんあった。
ビリンという別の地域では、パレスチナ人が作ったオリーブ畑を壊してその上に作られた分離フェンスが存在する。先日僕と同じ宿に泊まっていた日本人男性が、そのパレスチナ分離フェンス反対デモに参加し、イスラエル兵がうった催涙弾とゴム弾によって失明するというハプニングがおきた。彼は僕と同い年で、世界一周旅行中だったけど急遽イスラエルから日本に帰国することになってしまった。 旅をする前は遠い国の出来事でしかなかった中東パレスチナ問題。旅の間、僕はなるべく多くのパレスチナ問題に関する本を読んだ。そして中東の人々やイスラエルの人々、第三国の旅行者やジャーナリスト、そしてある活動家から直接それにまつわる話を聞いて少しは現状を把握できてきた。 イスラエルは民主主義国家であると公言しているが、実情はユダヤ人人種主義国家による先住民パレスチナからの人権搾取がおこなわれている。かつて南アフリカでおこなわれていた人種隔離政策、アパルトヘイトと何らかわりない。 今まで国家を持っていなかったユダヤ人が、アメリカとヨーロッパ諸国の力を得て、パレスチナ人の土地と仕事を奪い、パレスチナ人を犯し、虐殺して1948年に建国された国こそが、ユダヤ人国家イスラエル。 第二次世界大戦で自らが勝利したいために、イギリスがアラブ諸国とユダヤ人達にどちらにも良い顔したのが原因。その後はアラブ諸国を支配したいアメリカとヨーロッパ各国、日本によってイスラエルは支援されている。僕は中東パレスチナ問題はアラブ諸国とユダヤ教キリスト教の宗教間戦争だとおもっていたけど、そんな単純な問題でもなかった。 まず、ユダヤ人は旧約聖書の教え「イスラエル人は選ばれた民族、それ以外の民族は凡人なのでいらない。イエスキリストもムハンマドも救世主ではない。救世主はまだあらわれていない」という強烈なナショナリズムを信仰している。しかも彼らは頭がよく、多民族や他宗教に対して容赦がない。手段を選ばない。 そんなんでユダヤ人は昔からヨーロッパの人々に嫌われ、アラブ諸国の人々にも疎まれていた。日本では「ヒトラーに大虐殺されたかわいそうな民族」というイメージが強いが、ヒトラーのイメージが悪すぎるため、なぜユダヤ人が虐殺されたのかという問題に対して「ナチズムによる虐殺」という以外の理由はなかなか取り上げられない。 1948年、中東諸国の政治が揺らいでる隙をつき、アメリカやヨーロッパ諸国の力を借りてユダヤ人達は初めて自分達の国イスラエルを作った。そこにもともといたパレスチナ人達を虐殺し、よりによってキリスト教とイスラム教の大切な聖地を占拠した。そして現在、ユダヤ人は先住民のパレスチナ人が住む居住区に分離壁という壁の中で暮らす事を強制し、パスポートを持つ事を許していない。夜になるとイスラエル兵はパレスチナ人自治区に忍びこみ、子供や女性を夜な夜な襲っている。 壁の内側では、毎週金曜日にパレスチナ人やイスラエル人、外国人によって分離壁反対デモが行われている。最近では外国籍の活動家や旅行者、イスラエル人の活動家、日本の活動家も増えてきた。彼らがそれに参加することで海外マスコミはその問題をとりあげるようになったし、何より外国人がデモに参加するようになったことで、実弾がゴム弾に、催涙弾になってパレスチナ人が被害にあうことがすくなくなった。イスラエル人は国際問題を恐れて外国人を攻撃できない。 「日本人がパレスチナ人自治区のデモに参加し、イスラエル兵にうたれた」日本で茶の間でテレビをみている日本人は「そんな危ないところに行くのが悪い」「馬鹿だ」と非難する人がほとんどだろう。でも日本人が参加することで、パレスチナ人が殺されなくなった。日本人が打たれた事で、日本人はパレスチナ問題を知る事ができた。「そんな危ないところに行くのが悪い」だけでは済まされる問題じゃない。パレスチナ問題は宗教戦争ではなく、人種差別に抵抗する非暴力デモだ。パレスチナ側が行うデモでは暴力行為は行わない。ただ、海外メディアに現状をしってもらうこと、奪われた土地と仕事を返して欲しいという当たり前の要求。それに対するイスラエル軍の暴力。僕もまだやっと現状をかじったくらいの知識しかないけど、もっと色んな人に興味をもってほしいと思った。 そしてイスラエルという自称民主主義国家、現状はユダヤ人人種主義国家を、アメリカ、ヨーロッパ諸国の他、日本という国も支援しているということ。 パレスチナ問題についてもイラク戦争においても、僕ら日本は平和を尊重する国家だから攻撃はしない。でも攻撃する国を援助するという行為は、それは攻撃しているのと何も変わらないという事を考えたい。
by takuro-kotaka
| 2008-12-18 03:07
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【小鷹拓郎 Takuro Kotaka】 ・東京在住のアーティストです。 【こたか商店&野方座】 ・1Fリサイクルショップで2Fが映画館。住所:東京都中野区野方5-30-5野方文化マーケット。 http://kotakasyouten.com 以前の記事
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